あなたには、習慣にしたいことはありますか?
新しく始めた健康によい習慣や、習いごとなどがあれば、続けて身につけたいものですね。
しかし、三日坊主で続かないこともよくあることです。
続けられないのは意志が弱いせいではなく、何をやっても続かないという思い込みや、習慣化する方法を知らないといったことも原因かもしれません。
今回は、習慣化する方法やコツについてお伝えします。
三日坊主でも大丈夫です!
習慣は、誰でも、いつからでも身につけることができます。
焦らずに少しずつ始めてみましょう。
習慣化とは?
「習慣」とは、無意識のうちに繰り返している、決まった行動や思考のことをいいます。
たとえば、毎朝起きて顔を洗う、食事の後に歯磨きをする、帰宅後やトイレの後には手を洗う、食後にコーヒーを飲む、など。
日常生活の中で当たり前に行っている動作もたくさんありますね。
「習慣化」というのは、同じ状況の中で繰り返している行動や思考が定着し、自然に行われるようになることです。
- その行動をすることが当たり前に感じる。その行動をしないと落ち着かないなど、違和感がある場合も
- 自分の意志に関わらず、無意識のうちに行っていることが多い
- がんばらなくても続けられる。やめようと思ってもやめられない
習慣化された行動は、一日の行動のうち40~50%を占めるともいわれています(諸説あり)。
習慣は日々の生活や思考、人生に直結しているのです。
過去の習慣の積み重ねが、今の自分を作っているともいえるでしょう。
どんな習慣を身につけるかによって、人生が決まります。
つまり、生活や人生を変えたいと思ったら、習慣を変えればよいのです。
今からでも遅くありません。
習慣の積み重ねによって、よりよい未来の自分を作り上げていきましょう。
習慣化するとどんないいことがある?
さて、新しく始めたことや目標に近づくための行動、自分とまわりにとってよいことを習慣化できたとしたら、あなたの生活にどんな変化があるでしょうか。
習慣化することで得られるメリットをみてみましょう。
- 目標を達成しやすくなる
日々努力や行動を積み重ねることを習慣化していけば、勉強やスキルアップ、ダイエットなども、目標を達成しやすくなります。
また、トライアンドエラーを繰り返していくことで、一定の成果を得ることもできるでしょう。
習慣化によってよい習慣を身につけると、心や体、生活、人生が変わり、やりたいことを実現できるようになるのです。 - 面倒なことも楽にできるようになる
習慣化できると、面倒なことや難しいこと、労力を必要とすることが自然にできるようになります。
その行動をするのが当たり前になり、自然と体が動くので、無理したりがんばったりする必要がなくなるのです。
それまで達成するのにかかっていた時間も短縮され、余裕ができるので、質の向上にもつながります。 - 自信が持てるようになる
行動を積み重ねて一定の成果を出していること、継続できていること自体が成功体験(自分の行動がうまくいったという体験)となり、自己肯定感や自信が持てるようになります。
習慣化によって成功体験を積み重ねていくと、さらに自信を持って行動できるようになるといった、よい循環が生まれるのです。
また「自分はこう考える、こうしたい、こうありたい」といった自分軸ができ、ブレなくなることも期待できます。
<参考>
長く続けてよかったことは?
趣味系
- 読書。生きる理由になっている。(女性/44歳/医薬品・化粧品)
- 切手の収集。昔の切手を見ると思い出がよみがえる。(女性/27歳/団体・公益法人・官公庁)
- アイドルの応援。元気になれる。(女性/26歳/ホテル・旅行・アミューズメント)
- 貯金。貧乏な時でも貯金を続けたことで、プチリッチになれた。(女性/31歳/その他)
- 100円貯金。けっこうな額になったし、毎朝箱に入れる習慣にしたらできた。(女性/29歳/人材派遣・人材紹介)
- 料理教室。人に食べさせたら絶対次をねだられるような腕になったし、自分で食べても満足して美味しいと思えるようなものが作れるようになったから。(女性/25歳/団体・公益法人・官公庁)
- 日記。読み返してみると懐かしいから。(男性/39歳/情報・IT)
- 献血。最初は記念品やお菓子がもらえるのが嬉しくてやっていたが、人の役に立てていていることを感じられてやりがいがあるから。(男性/31歳/情報・IT)
習いごと系
- 珠算。当時は親の意向でかなり嫌々だったのだが、今の暗算能力はそのときに養われた。(男性/45歳/商社・卸)
- 子どもの頃にやっていたそろばん。頭の回転という意味では、今でも役に立っていると思うから。(男性/33歳/小売店)
- 書道。精神が落ち着く。(女性/45歳/マスコミ・広告)
- 書道。直筆の字が上手いとそれだけできちんとした人に見られ、年上受けするから。(女性/28歳/機械・精密機器)
- ピアノのレッスン。小さいころは練習が辛くてずっと止めたかったけれど、今では色々な曲を弾きこなせるほどに上達したから。(男性/25歳/商社・卸)
仕事系
- 会社勤め。入社したころは自信なかったけれど10年以上お世話になってきて、よかったなと思う。(女性/32歳/電機)
- 仕事。どんどん適応力もついてきて、コミュニケーション能力が上がっているから。新しく始めることも苦じゃないから。(女性/29歳/印刷・紙パルプ)
- 仕事。着実に身についているし、人にも恵まれていると感じるため。(女性/30歳/情報・IT)
- エンジニアという仕事。自分のアイデアを生かした製品が出て、両親や一般の人が喜んでいるのを見ると、やってきてよかったなあと思う。(男性/50歳以上/電機)
勉学系
- 勉強。今でも語学は欠かさず勉強している。直接役に立つものではないが、確実に人生を豊かにしていると思う。(女性/24歳/団体・公益法人・官公庁)
- 英語。自分の仕事で武器になるから。(女性/32歳/学校・教育関連)
- 中国語の勉強。上司が中国人だから。(男性/24歳/自動車関連)
- 読書と歴史の勉強。会社で上司と話すときの話題に困らない。(女性/27歳/団体・公益法人・官公庁)
スポーツ系
- 水泳。昔の服も難なく着れる。(男性/35歳/情報・IT)
- ヨガ。気持ちよく汗をかけて、リラックスできるから。マイペースにできるので続けられた。(女性/37歳/商社・卸)
- 歩くこと。今まで健康でいられたのはそれのおかげだとしみじみと思う。(男性/33歳/情報・IT)
- ジョギング。健康体でいられるし、20代のころとあまり体型がかわらないから。(男性/33歳/学校・教育関連)
- フットサル。まったくかかわらないような職種の人ともプライベートでつながれておもしろいから。(男性/36歳/機械・精密機器)
- スポーツ観戦。いろいろな感動シーンを見て頑張る力になっていること。(女性/21歳/自動車関連)
※出典:マイナビ学生の窓口調べ、社会人男女342人にインターネットログイン式アンケートを行った結果(調査時期:2015年11月)
人それぞれ、続けることでやりがいや自信を得て楽しんでいるようですね。
長く続けることは、人生を豊かにする一助となるのではないでしょうか。
どうして続かないの?
習慣化するといいことはわかるのですが、なかなか続けられないのはなぜなのでしょうか。
その原因をみてみましょう。
- 変わりたくない
人間は本能的に「安全であること」を求めます。
何か新しいことを始めると、心や体、生活に変化が生まれますね。
すると、人間は「変化=安全ではない」と認識し、本能的に変わることを回避しようとするのです。
そのため、習慣化しようと思っても、変化を嫌う脳はいつも通りの安定した状態を保とうとします。
そこで生まれる大きな抵抗に勝てず、挫折してしまうのです。
習慣化できないのは、本能的に自分を守ろうとしているからなのかもしれませんね。
しかし、その抵抗を乗り越え、いったん習慣化してしまえば、安心を取り戻すことができます。 - 効果がすぐに出ないので、やる気が長続きしない
習慣化するには、ある程度の期間が必要です。
そのため、効果や結果をすぐに求めてしまうと、モチベーションが下がり、長続きしません。
語学学習やダイエットなどがわかりやすい例ですが、これらは長期的に続けることで成果があがるものです。
長い目で見て、少しでもできたことや前に進んでいることを確認しながら、取り組んでいけるとよいですね。 - 目標が高すぎる
いきなり高い目標を立ててしまうと、挫折しやすくなります。
たとえば、毎日腹筋をすることを習慣化したい場合。
「毎日、腹筋を100回やる」というあまりにも高い目標を立てると、そもそも取り組む気にもなれず、途中で挫折してしまうかもしれません。
まずは時間や場所を決め、毎日腹筋ができる体制を作ることから始めればよいのです。
そこから、ちょっとがんばれば実現可能な目標を立てて取り組んでいくとよいでしょう。
毎日の生活の中で、取り組みやすい目標を設定することが大切ですね。 - 完璧を目指す
挫折の大きな原因のひとつは、完璧を目指してしまうことです。
取り組んでいくうちに、どうしてもやる気が出ない、眠い、など思うようにいかないことも出てきます。
そんなときは、とにかくハードルを下げましょう。
たとえば、「スクワットが一回できたからOK」「英単語をひとつ覚えたからOK」など、少しでも「続けられた」という実績を作ることが大切です。 - 本当は実現したいことではない
そもそも、それは心から習慣化したいことでしょうか?
なぜそれを習慣化したいのか、考えてみましょう。
たとえば、友人が始めてよさそうだったから、まわりに勧められたから、といった理由は、ひとつのきっかけにはなりますが、目的があいまいなものは長続きしません。
まわりに流されず、自分にとって本当に必要な習慣かどうかを見極めることも大切ですね。
世間の常識や他人の評価などに惑わされずに、自分の意思で決めましょう。
<参考>
続かないことランキング
1位:ダイエット
2位:整理整頓・片付け
3位:日記
4位:家計簿
5位:語学・資格
※2019年12月、じゃらん編集部による全国20~40代の男女1,321人への調査結果より。
調査レポートURL:https://www.jalan.net/news/article/418068/
その他にも、禁煙や禁酒、貯金(節約)、早朝ランニング、楽器、アルバイトなどがあります。
人によってさまざまですね。
どのくらいの時間が必要?
習慣化したいと思ったら、ある程度の時間が必要です(習慣化したいことの難易度や種類にもよります)。
片付けやそうじなど生活に関わる行動習慣は、だいたい1か月程度かかると考えられています。
たとえば、部屋を片付けてきれいな状態をキープするために毎日そうじをする場合。
最低でも1か月の間、毎日そうじを続けることが大切です。
また、ダイエットやランニングなどの身体に関わる習慣では、だいたい3か月かかるとのこと。
さらに、考え方や性格などの思考に関わる習慣になると、だいたい半年はかかるそう。
大きな変化をともなうことを習慣化するには、それだけ時間が必要なのですね。
でも、大丈夫。
大事なのは、時間がかかってもあきらめないことです。
コツをつかんで習慣化できれば、続けることは楽しいことだと感じられ、自信が持てるようになるでしょう。
どうしたら続くの?習慣化のコツ
習慣化できる人というのは、習慣化できるコツやテクニックを知っていて、実行している人です。
意思が弱くて続けられないと思い込んでいる人も、コツをつかめば大丈夫!
では、習慣化するコツをみていきましょう。
習慣化するには?
- なりたい自分の姿を思い描く
まずは、今の自分を見つめ直すことから始めましょう。
理想の自分とのギャップが大きくても、今の自分を否定する必要はありません。
なりたい自分の姿を具体的に、しっかりと思い描くことが大切です。
そして、思い描いたときのワクワクする気持ちを大事にしましょう。
たとえば、英語の勉強を習慣化したい場合。
「英語が話せるようになりたい」と思い描くだけではなく、「語学力をつけてどんな自分になりたいのか」を具体的にイメージしましょう。
「私は語学力をつけて海外の人と自由に会話をし、楽しんでいます」など。
なりたい自分の姿を、言葉にして唱える、紙に書いて目につくところに貼る、写真にして手帳にはさむ、などの工夫も必要ですね。
そして、もうすでに思い描いている姿になったかのようにふるまうことも効果的です。
また、習慣化するには、「自分はこうなりたい」という思いを深め、ひとつのことを意識的に繰り返す必要があります。
思いを深めるポイントのひとつは、理想の自分になったときに誰が喜んでくれるかを想像することです。
誰かに喜んでもらえたり、感謝されたりするとうれしいですよね。
さらに、「なりたい自分になってうれしい」という感情を味わったり、喜んでいる自分自身をイメージしたりすることも、効果がありますよ。<参考>
なりたい自分を思い描けないときはどうしたらよい?理想の自分を思い描けないこともあるでしょう。
でも、落ち込む必要はありません。
そんなときには、以下の方法を試してみてください。★「あこがれの人」を見つける
尊敬できる人や素敵だなと思う人を目標にしてもOKです。
さらに、もしもその人が自分にエールを送ってくれるとしたら、何と言ってくれるかを想像してみましょう。
きっと、大丈夫だよ、と励ましてもらえることでしょう。★「ワクワクした気持ち」を思い出す
過去にワクワクした気持ちの中にヒントがあります。
子どもの頃に思い描いていた夢や好きだったこと、楽しかった経験を紙に書き出してみましょう。
そして、そんなワクワクしている自分が今の自分に会ったら何と言ってくれるかな、と問いかけてみるのです。
きっと、過去の自分が励ましてくれますよ。 - 自分との約束を守る
習慣化とは、「自分との約束を守ること」と言いかえることもできます。
重要なことは、その約束の内容は「自分で決める」ということです。
そして、習慣化は、具体的に何をするのかを「自分で決めて」実行することから始まります。
ひとつでも習慣化できれば、自分の人生を歩んでいるという実感を得ることができるでしょう。 - ベイビーステップで始める
ベイビーステップとは、赤ちゃんのよちよち歩きのような小さな一歩のこと。
習慣化するときには、最初の一歩は小さく、だんだん歩幅を大きくして目標に近づけていく方法がおすすめです。
ベイビーステップを決めるポイントは、2つあります。
1つ目は、時間を短くすることです。
たとえば、5分だけそうじする、15分だけ勉強する、20分だけランニングする、など。
少しずつ、時間をのばして目標に近づけます。
2つ目は、ハードルを下げること。
机の上だけを片付ける、本を1ページだけ読む、ランニングをウォーキングにする、など。
だんだんハードルを上げて、目標に近づけるようにします。
このように、小さい目標をクリアしながら、成功体験を積み上げていくことが大切です。
最初から完璧を目指さず、無理せず続けられる適切な目標を立てるとよいでしょう。
まずはやってみること、始めることに価値があります。 - どうしたらできるかを考える
誰しも、思うようにいかないときがあるものです。
そんなときには、「できない理由」を探すよりも「どうしたらできるか」「どうしたら、もっとよくなるだろうか」と自分に問いかけてみましょう。
また、「自分はどうしたいのか」を見つめ直すチャンスになるかもしれません。
もし習慣化に行き詰まったとしても、自分自身に問いかけながら、あきらめずに取り組んでいけるとよいですね。 - 自分に合った方法を見つける
途中で挫折してしまうのは、もしかしたら習慣化したい内容や方法、環境が自分に合っていなかったのかもしれません。
まず、習慣化したい内容について、なぜそれを続けたいと思ったのか、もし習慣化できなかったら何が起こるか、自分にとって適切な目標を立てているかを考え直してみるとよいでしょう。
そして、自分の行動や思考のクセを知って、習慣化する方法などを見直します。
自分はどんなときにサボってしまうのか、他の人のサポートがあれば続けられるタイプか、これまでに習慣化できたことの中にヒントはないか、など。
自分のことを知り、自分に合ったやり方を見つけてやってみましょう。
- 時間と場所を決める
習慣化するためには、自分で決めたことを自然にできるような仕組みを作ることが効果的です。
その方法のひとつは、時間と場所「いつ・どこで」を決めて、毎日の生活の中に組み込むこと。
たとえば、読書を習慣化したい場合は、「朝起きたら自宅の机で」「夜寝る前にベッドで」など。
人によって合うタイミングや場所が違うので、まずはいろいろ試してみて、自分が続けやすいと感じる「いつ・どこで」を探しましょう。
また、今すでにできている習慣に新しい習慣を付け加える方法もおすすめです。
たとえば、すでに習慣化されている「歯を磨く」という行為に、新たに習慣化したい「洗面台を3分間そうじする」という行為をセットにします。
すると、迷ったり考えたりすることなく、ついでに行うことができ、習慣化しやすいのです。 - 他の人を巻き込む
仲間と一緒に取り組んだり、まわりに宣言すると効果的です。
たとえば、早起きしてラジオ体操することを習慣化したい場合。
まわりの人に「朝5時に起きてラジオ体操をします」と宣言し、ラジオ体操を皆と一緒に行うのです。
子どもの頃の夏休みには、そうやってラジオ体操を習慣化していた人も多いのではないでしょうか。
また、SNSで同じ目標の仲間を作ったり、その仲間と約束をしたり、お互い励まし合ったりするのもよいですね。 - 記録する
「ハビットトラッカー」という方法で記録をしてみましょう。
「ハビットトラッカー(habit=習慣、tracker=追跡者)」とは、毎日習慣が続いているかをチェックする方法のひとつ。
習慣にしたいことが実行できたら、カレンダーに印をつけていくというシンプルな方法です。
どれだけ続けられているのかを見える化すると、習慣化へのモチベーションをアップさせたり、現状を確認して対策を練ったりすることもできます。
そして、少しでも実行できていることが客観的にわかると、せっかくだからもう少し続けてみようかな、と思えるのではないでしょうか。
- ルーティンワークを味方にする
日米のプロ野球で活躍したイチロー選手がルーティンワークを徹底して行っていたことは有名です。
イチロー選手はこんなことを言っています。
「自分にとって一番大切なことは、試合前に完璧な準備をすることです」
イチロー選手には長年にわたり毎日続けている習慣がありました。
試合前の入念なストレッチや、帰宅後の食事前後に行うストレッチ、その後2時間のマッサージを受けるなど。
こうした日々の生活におけるルーティンワークを大切にする姿勢が、試合前の完璧な準備につながり、あれだけの活躍ができたのかもしれませんね。
イチロー選手のようには徹底できなくても、「誰にでもできる簡単なこと」を、「誰もまねできないくらい続ける」ことにチャレンジしてみましょう。 - ルールは柔軟に、楽しく
習慣化は楽しく進めましょう。
脳のしくみからいうと、続く習慣と続かない習慣の違いは、「楽しいか、楽しくないか」。
つまり、人間は楽しいことしか続かない、ということのようです。
無理して続けようとする努力よりも、「楽しむ努力」が必要になります。
楽しいことやワクワクすることを組み込むのが続けるコツですね。
たとえば、たまには好きなことをする日を設定し、息抜きをするのもよいでしょう。
ポイントがたまったら好きなものを食べるなど、ポイント制でごほうびを用意するのもおすすめ。
そして、「絶対に~しなければならない」は挫折のもとです。
人間ですから、疲れているときや気分が落ち込むこともあります。
習慣化するまでには「毎日必ずやる」ことが難しいときもあるでしょう。
そんなときには無理をせず、「1週間に1回は休んでもOK」「5日に1回は半分できればOK」など、続けるのが難しいときのために自分なりのルールを決めておきます。
たとえば、運動の習慣化では、調子のよいときは7000歩、調子の悪いときには万歩計をつけて測るだけ、といった具合です。
ルールに幅を持たせることで、柔軟な対応ができ、何もできなかったという日を減らすことができます。
行動別のヒント
まず、「起きる時間」を決めます。
起きる時間を決めたら、そのひとつ前の行動、「寝る時間」を決めましょう。
その次はお風呂に入る時間、夕食を済ませる時間と、ひとつずつ行動をさかのぼって、それぞれ行動する時間を決めていくのです。
また、質の良い睡眠をとることで、早起きしやすくなります。
睡眠は「時間」より「質」が重要です。
ふだんから生活リズムを整え、寝る前はリラックスして過ごす、ゆっくり入浴するなど、自分に合った寝る前の習慣を見つけてみましょう。
まずは「なりたい自分」を具体的に、はっきりと思い描きましょう。
ただ単に「○kgやせたい」だけでなく、その先自分はどうなりたいのかを思い描きましょう。
たとえば、「○kgやせてお気に入りのワンピースを着て海外旅行する!」など、ワクワクすること、楽しみなことがよいですね。
そして、ぜひやってみてほしいのが、「ダイエットはすでに成功した」という前提で、「どうしてダイエットが成功したのだろう?」と自分に問いかけること。
これは、脳が真実と嘘を区別できないという特徴を利用した方法で、脳が考えて答えを出してくれるのだとか。
「自転車通勤に変えたから」「毎日7000歩以上歩くようにしたから」など、脳がダイエット成功の方法を教えてくれるそうですよ。
日記を書くことを習慣化したいという場合も、まずはハードルを思いっきり下げて始めましょう。
たった一行でもOK。
「今日は書くことがなかった」と書くだけでもよいのです。
とにかく日記を書けた、という小さな成功体験を続けることが大切。
個人的におすすめなのは、毎日寝る前にその日一日のよかったことやうれしかったこと、できたこと、感謝することなどを3つだけ書くこと。
どんな小さなことでも、当たり前と思っていることでもよいので3つ書き出してみましょう。
たとえば、「いつもより少し早起きできた」「自分や家族のためにごはんを作ることができた」「あたたかいお風呂に入ることができた」など。
この3行日記を習慣にすると、「この世には当たり前のことなどなく、毎日が奇跡の連続なのだ」と体感することができ、多くのことに感謝できるようになります。
そして、すでにできていることに目を向けたり、物事をプラスにとらえることが上手になるのです。
また、どうしてもネガティブなことを考えてしまうときには、こんな3行日記を書くのもおすすめ。
以下の3つについて、書き出してみましょう。
★今日のよかった点
★今日の改善すべき点
★明日の対策と決意
この3行日記のポイントは、ネガティブな感情があるときには「よかった点」を多く書き出すこと。
すると、その日のうちにネガティブな感情をクリアでき、スッキリしますよ。
読書もハードルを下げて、とにかく「毎日本を開く」ことから始めましょう。
おもしろいと思えるものならマンガでもよいし、種類は問いません。
まず「本を読むことは楽しい」という記憶を作ることが必要です。
そして、本を読む時間と場所を決めるとよいでしょう。
たとえば、「毎朝、通勤電車の中で本を読む」と決めて、読みたい本を前の日にカバンに入れておくのです。
ハードルを下げ、生活の中で自然と本を開けるように工夫してみましょう。
よい人間関係を築くためには、どんなことを習慣にするとよいでしょうか。
まずは、「相手がどうしたら喜んでくれるか、どうしたら役に立てるか」を考え行動することから始めましょう。
たとえば、笑顔であいさつをする、ありがとうと言う、相手のよいところを見つけてほめる、自分から話しかける、など。
相手を変えることはできませんが、自分の言葉や表情といったふるまいや、行動を変えることはできます。
嫌な相手に対しても、自分から笑顔であいさつをしたり、よいところをほめたりしていると、不思議なことに相手の態度も変わっていくものです。
それでもどうしても合わない相手とは、距離をおくことがお互いにとってよい場合もあります。
人間関係をよくするために大事なのは、「変えられないこと」を変えようとせずに、「変えられること」を変えていくこと、相手を思いやる習慣を持つことではないでしょうか。
習慣化が教えてくれること
習慣化は自分の味方です。
たったひとつの習慣でも身につけられれば、人生は想像以上に変わります。
仕事や勉強、家庭、人間関係などの悩みは尽きませんが、ひとつの習慣を作ることで、なりたい自分に確実に近づけるのです。
たとえば、家庭の問題で悩んでいる人が、家族に毎日「ありがとう」と言うことを習慣化しました。
その結果、家族との会話も増え、家庭の雰囲気が明るくなったというケースがあります。
つまり、習慣化は自分自身だけでなく人間関係にまで大きな影響を与え、現実と未来を変えることができるのです。
ただ、習慣化する中で気を付けたいのが、うまくいかなかったときに自分を責めてしまうこと。
自分を責めると続ける元気がなくなります。
たとえ途中で挫折したり時間がかかっても、自分を責めたりあきらめたりせずに、淡々と、今できることに取り組みましょう。
チャレンジし続ければ、失敗もよい経験になります。
三日坊主でも、自分を責める必要はありません。
3日も続けられた自分をほめてあげて、また始めればよいのです。
自分を信じてチャレンジしてみましょう。
まとめ
習慣化によるメリットや、習慣化する方法とそのコツについてお伝えしました。
ひとつのことを習慣にすることは、確かに時間も労力もかかることですが、コツをつかんで楽しく取り組めば大丈夫です。
たとえ挫折したとしても、またいつからでも始められます。
ハードルを下げ、できたことに目を向けながら、ぜひ続けてみましょう。
たったひとつの習慣によって、人生が変わるかもしれませんよ。
習慣化によって、あなたの人生が自信にあふれた豊かなものになりますように。
参考文献:吉井雅之著「人生を変える!理想の自分になる!習慣化メソッド見るだけノート」