あなたは、いつもどんな音楽を聴いていますか?
音楽には、人を癒やしたり元気にしたりする力があります。
聴くだけでリラックスできたり、前向きになれたり、心が豊かになる・・・。
そんな音楽との出会いがあるとよいですね。
今回は、心と体によいといわれているクラシック音楽をご紹介します。
クラシック音楽になじみがなくても、大丈夫です。
気軽にいろいろ聴いてみて、自分に合うクラシック音楽を見つけてみましょう。
クラシック音楽ってどんな音楽?
あなたは、クラシック音楽を聴きますか?
あまりなじみのない方には、「かたくるしい」「とっつきにくい」といったイメージもあるかもしれませんね。
しかし、実は意外と身近な音楽なのです。
映画やドラマに使われていたり、ホテルやレストラン、病院の待合室などでもBGMとして使われています。
どこかで聴いたことある!という曲もあるかもしれません。
では、クラシック音楽とはどんな音楽なのでしょうか?
「クラシック」とは、「古典的な」という意味ですが、「時代を超えて愛されている」といった意味もあります。
「クラシック音楽」の起源は、5~16世紀(中世・ルネッサンス時代)の教会音楽、グレゴリオ聖歌。
その後、古典派、ロマン派、印象派、現代音楽など各時代の特徴によって分類されるようになりました。
さらに、楽器や編成などにより、ジャンル別にも分けられます。
たとえば、「交響曲(オーケストラ)」、「器楽曲(ピアノ・ヴァイオリンなど)」、「声楽曲」など。
17世紀から19世紀にかけては、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンなどの音楽家が活躍しました。
そして近年では、音楽療法にクラシック音楽が取り入れられています。
胎教に使われたり、赤ちゃんや子どもに聴かせるとよい音楽としても注目されていますね。
また、食べ物やお酒などにクラシック音楽を聴かせると、よい影響があるといわれています。
クラシック音楽は心身の健康によいという医学的な研究結果もあるのです。
あまり難しく考えずに、ただ聴き流すだけでもOK!
とにかく聴いてみましょう。
以下にあてはまるものが多い方は、ぜひクラシック音楽をお試しください。
- 新しい趣味やお気に入りの音楽を見つけたい
- いつもと違う音楽を聴いてリフレッシュしたい
- いつもの空間を音楽によって居心地のよい空間にしたい
- 優雅なティータイムを過ごしたり、ゆっくりとコーヒータイムを楽しみたい
- 仕事や勉強、家事などがはかどるBGMを探している
- 眠る前やリラックスタイムに、心も体も癒やされる音楽を聴きたい
- 元気が出る音楽を聴きたい
- イライラが消え、穏やかな気持ちになれる音楽を探している
- 音楽で心を豊かにしたい
いかがでしょうか。
たまにはクラシック音楽でも聴いてみませんか?
何を聴けばよいの?
何を聴けばよいのかわからない時には、予備知識を学んだ上で、作曲家別に聴いてみることをおすすめします。
次に時代別(バロックやロマン派など)やジャンル別(オーケストラ、ヴァイオリンなど)に聴いてみましょう。
さらにアーティスト別(指揮者や演奏者)に聴いてみると、楽しみが広がります。
同じ曲でも編成や演奏する人が違えば、また違う味わいがあるものです。
クラシック音楽の魅力のひとつは、たった一曲だけでもいろいろな楽しみ方ができること。
最初は直感でもよいので広く浅く聴いてみて、好きな曲や作曲家が見つかったら深く掘り下げてみる方法もあります。
クラシック音楽に詳しい人におすすめの曲を教えてもらって、聴いてみるのもよいですね。
まずは、「悲しい感じ」「ハッピーな気持ち」「ほっとする」など、聴いた時の気持ちや感情を味わい、楽しみましょう。
どんな時に聴けばよいの?シーン別おすすめの曲
クラシック音楽は気分転換やリラックスしたい時、集中したい時に聴くと効果的です。
たとえば、こんな時に聴いてみるのはいかがでしょうか。
- 元気になりたい時、前向きになりたい時
- 嫌なことがあった時、ストレスを感じた時
- 落ち着きたい時、リラックスしたい時
- 一日の疲れを癒やしたい時
- 眠れない時
- コーヒータイム、お酒を飲んでいる時
- 家事や仕事、勉強をしている時
- お風呂に入っている時
- 運転中や移動中
- 恋愛中や片思い中、失恋した時
- 思い出に浸りたい時、昔にタイムスリップしたい時 など
それぞれのシーンや気分にぴったりな音楽を、ふだんから見つけておくと良さそうですね。
基本的には、クラシック音楽に限らず、自分の好きな音楽や聴いていて心地よい音楽ならOKです。
ここでは、クラシック音楽の中で、シーン別におすすめの曲をあげてみます。
演奏時間は指揮者や演奏者により異なりますので、聴く時の目安にしてみてください。
参考になるかもしれない、シーン別おすすめ度のおまけ付き。
作業がはかどる曲5選
作業や勉強をする時には、無音状態だと集中力が落ちるという研究結果もあります。
聴いていて心地よい音楽の中でも、歌詞のない曲のほうが集中しやすいでしょう。
ここではBGMとして聴き流すだけで、家事や仕事などがはかどるクラシック音楽をご紹介します。
ヴィヴァルディ:「四季」より 春 (約10分)
ヴィヴァルディの生まれ育ったイタリア・ヴェネツィア地方の四季をイメージして作られました。
特に「春」の第1楽章(約4分)は、弦楽器の美しい響きで始まり、さわやかな気分になれる曲です。
元気★★★★★
クリア★★★★★
静か★★☆☆☆
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード(前奏曲)(約3分)
チェロだけで演奏されますが、豊かな響きに圧倒されます。
静かで厳かな雰囲気の曲なので、気持ちを落ち着かせて集中したい時に聴くとよいでしょう。
元気★★☆☆☆
クリア★★★★☆
静か★★★★★
ショパン:「12の練習曲 作品10」 第5曲目「黒鍵のエチュード」 (約1分30秒)
「エチュード」とは練習曲という意味です。
右手はほとんどピアノの黒鍵のみで演奏されるため、この名前がつけられました。
エネルギッシュで軽快なピアノが流れ、モチベーションを上げるのにぴったりの曲です。
元気★★★★★
クリア★★★★☆
静か★★☆☆☆
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番「春」 第1楽章 (約8分)
厳しい冬を乗り越えて、春を迎えた喜びに満ちあふれている曲です。
作業を始める前に聴くとよいでしょう。
元気★★★★☆
クリア★★★☆☆
静か★★★☆☆
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 序曲 (約5分)
「フィガロの結婚」は、庶民のドタバタを描いた喜劇です。
幕開けに演奏される序曲は、華々しく派手に始まります。
気持ちが軽くなり、モチベーションもアップすることでしょう。
元気★★★★★
クリア★★★☆☆
静か★☆☆☆☆
心地よく眠れる曲5選+1
最近よく眠れていますか?
就寝前に音楽を聴くことでリラックスでき、睡眠の質が向上することがわかっています。
自然音や静かでスローテンポの曲、聞き慣れた曲などがよいでしょう。
小さい頃に聴いていた、子守唄のような曲もよいですね。
クラシック音楽では、こんな曲をおすすめします。
バッハ:管弦楽組曲 第3番 第2曲 アリア(G線上のアリア) (約5分)
そのため、「G線上のアリア」というタイトルがつけられました。
静かなメロディーが流れ、とても落ち着く曲です。
ゆっくり深呼吸しながら聴くとよいでしょう。
ソフト★★★★★
ファンタジー★☆☆☆☆
ロマンチック★★★★☆
バッハ/グノー:アヴェ・マリア (約4分)
メロディー・伴奏ともに美しく、心が癒やされます。
眠る前のひとときを穏やかに過ごせるでしょう。
ソフト★★★★★
ファンタジー★☆☆☆☆
ロマンチック★★★★★
サン・サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」 (約3分)
チェロが奏でる優しいメロディーを聴いていると、湖を優雅に泳ぐ白鳥の姿が思い浮かぶようです。
疲れた心を癒やし、心地よい眠りへと誘ってくれます。
ソフト★★★★☆
ファンタジー★★★★★
ロマンチック★★★★★
ドビュッシー:ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」 (約5分)
目を閉じて聴いていると、月が輝く静かな夜の情景が浮かんできます。
穏やかな気持ちで眠る前のひとときを過ごしたい時におすすめです。
ソフト★★★☆☆
ファンタジー★★★★★
ロマンチック★★★★★
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス (約3分)
キリストをたたえる賛美歌のひとつです。
モーツァルトが、世話になった友人へのお礼として作曲しました。
厳かで清らかな響きに包まれ、幸せな気分で眠りにつくことができるでしょう。
ソフト★★★★★
ファンタジー★★☆☆☆
ロマンチック★★★★☆
個人的にイチオシの曲を、特別にご紹介しましょう。
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 アリア (約3分)
全部で30曲あり、演奏時間は1時間以上になる超大作です。
次々とバリエーション豊かなピアノ曲が繰り出されます。
時間があればアリア以外も聴いてみるとよいでしょう。
私は毎日眠る前に聴いています。
とても心が穏やかになり、心地よく眠りにつくことができる曲です。
ソフト★★★★★
ファンタジー★★★★☆
ロマンチック★★☆☆☆
悲しい時に聴く曲5選
悲しい時、元気になろうとして明るい曲調の音楽を聴いたら、かえって落ち込んでしまったという経験はありませんか?
音楽には「同質の原理」という考え方があります。
その時の気分に近い雰囲気や曲調の音楽を選ぶと、精神的によい影響があるというものです。
悲しい時には、まず気持ちに寄りそうような、ゆっくりで穏やかな音楽を聴くと心が癒やされます。
それから明るく励ましてくれるような曲を聴くと、元気になれるのです。
悲しくて気持ちが落ち込んでしまったら、まずこんな曲を聴いてみましょう。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番 「悲愴」 第2楽章 (約5分)
誰もが人生で経験する、深い悲しみに揺れ動く感情が表現されています。
第2楽章は、ひとすじの希望の光が感じられる曲です。
傷ついた心を癒やし、あたたかく包んでくれることでしょう。
切ない★★☆☆☆
ドラマチック★★★★★
穏やか★★★★★
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 第1楽章、第2楽章 (第1楽章:約20分、第2楽章:約10分)
第1楽章・第2楽章ともに、美しく切ないピアノのメロディーが心に染み入ります。
ロマンチックで優しい気持ちにさせてくれるので、心を癒やしたい時におすすめです。
切ない★★★★☆
ドラマチック★★★★★
穏やか★★★☆☆
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ (約7分)
ラヴェルの、スペイン人であった母への想いも込められています。
ゆったりと流れるどこか切ないメロディーは、心をやさしく包んでくれるでしょう。
ピアノバージョンと管弦楽バージョンがありますが、どちらもおすすめです。
切ない★★★★★
ドラマチック★★★★☆
穏やか★★★★☆
サティ:3つのジムノペディ 第1番 (約3分30秒)
静かにゆっくりと流れるメロディーに身を任せ、深呼吸してみましょう。
落ち込んでいる気持ちにやさしく寄りそってくれます。
切ない★★★☆☆
ドラマチック★★☆☆☆
穏やか★★★★★
モーツァルト:クラリネット五重奏曲より 第2楽章 (約6分)
晩年のモーツァルトが、クラリネット奏者の友人のために作りました。
特に第2楽章は、ゆったりと流れるメロディーが美しい曲です。
じんわりとあたたかく心を包み込み、癒やしてくれることでしょう。
切ない★☆☆☆☆
ドラマチック★★★★☆
穏やか★★★★★
元気が出る曲5選
落ち込んだ気持ちから回復してきたけれど、何となくやる気が出ない・・・。
そんな時は、ワクワクするような曲を聴いてみましょう。
朝起きた時や、仕事や家事を始める前など、モチベーションをアップさせたい時にもおすすめです。
クラシック音楽では、こんな曲があります。
ベートーヴェン:交響曲第7番 第1楽章 (約14分)
ベートーヴェンが戦争や失恋などのつらい状況を乗り越え、新しい一歩を踏み出した時期に作られました。
生命力にあふれ、明るくリズミカルな曲調です。
たくさんの元気や勇気を与えてくれるでしょう。
パワフル★★★★★
ドキドキ★★★★★
ノリノリ★★★★★
チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」 第8曲 花のワルツ (約7分)
ブンチャッチャッ、という軽快なワルツのリズムにのせて、楽しげなメロディーが流れます。
「くるみ割り人形」はクリスマスの夜の物語。
おとぎの国の住人たちが華やかに踊っている様子に、ワクワクします。
聴いているだけで心が軽くなるでしょう。
パワフル★★☆☆☆
ドキドキ★★★☆☆
ノリノリ★★★★★
ホルスト:組曲「惑星」より第4曲「木星」 (約8分)
「木星(ジュピター)」は、「快楽をもたらす者」という副題がつけられました。
中間部のメロディーは、歌手の平原綾香が「ジュピター」というタイトルで歌い、親しまれています。
雄大な宇宙に思いをはせながら聴くと、心が癒やされ気持ちも前向きに。
パワフル★★★★★
ドキドキ★★★☆☆
ノリノリ★★★☆☆
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」より終曲「キエフの大門」 (約6分)
終曲である「キエフの大門」は、壮大で力強さを感じる曲。
テレビ番組などでも使われ、親しまれています。
ムソルグスキーの友人を想う気持ちや、愛と平和への祈りが感じられ、勇気づけられるでしょう。
オリジナルはピアノ曲ですが、ラヴェルが編曲した管弦楽バージョンも人気です。
パワフル★★★★★
ドキドキ★★★★★
ノリノリ★★☆☆☆
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ (約8分)
モーツァルトが、優秀なお弟子さんと一緒に弾くために作りました。
ピアノ2台ならではの迫力があり、リッチな響きを存分に楽しめるでしょう。
特に第1楽章は明るく軽快な曲で、聴いていると元気が出てきます。
パワフル★★★★★
ドキドキ★★★★☆
ノリノリ★★★★★
心が癒やされる曲5選
イライラしたり不安になったりした時には、スローテンポで穏やかな曲を聴くと、気持ちが和らぎます。
懐かしい気持ちになる曲や思い出の曲などを聴いて、気分を切り替えるとよいでしょう。
クラシック音楽では、こんな曲がおすすめです。
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 第2楽章 (約13分)
第2楽章の郷愁を誘うメロディーは、日本でも「家路」「遠き山に日は落ちて」などのタイトルで、親しまれています。
小中学校の下校時の音楽としても使われ、子どもの頃を思い出す方も多いのではないでしょうか。
懐かしい気持ちを静かに味わいたい時におすすめです。
うっとり★★★☆☆
懐かしい★★★★★
親しみやすい★★★★★
マーラー:交響曲第5番 第4楽章 アダージェット (約10分)
マーラーが愛する女性への想いをこめて作られたといわれ、「愛の楽章」とも呼ばれています。
静かでロマンティックなメロディーは、世界で最も美しいメロディーのひとつといえるでしょう。
目を閉じて美しい響きに身をまかせていると、愛に満ちあふれた気持ちを味わうことができます。
うっとり★★★★★
懐かしい★★☆☆☆
親しみやすい★★★★☆
ラフマニノフ:交響曲第2番 第3楽章 (約15分)
映画やCMなどでもよく使われ、とても美しくロマンチックなメロディー。
20世紀に描かれた最も美しいメロディーのひとつではないでしょうか。
目を閉じてゆったりとした気持ちで聴いていると、心が癒やされていきます。
うっとり★★★★★
懐かしい★★☆☆☆
親しみやすい★★★★★
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」 間奏曲 (約3分30秒)
「間奏曲」とは、オペラなどの劇の合間に演奏される曲のことです。
この間奏曲は特に有名で、単独で演奏されることも。
短い曲ながら、宝石のように美しいメロディーにうっとりしてしまいます。
心が深い安らぎで満たされることでしょう。
うっとり★★★★★
懐かしい★★★★☆
親しみやすい★★★★☆
マスネ:「タイスの瞑想曲」 (約5分)
主人公タイスが瞑想する時の音楽として用いられ、揺れ動く心が見事に描かれている曲です。
それまでの人生と決別して新しい一歩を踏み出す時のような、凛とした美しさに心を打たれます。
ゆううつな気分や不安な気持ちにそっと寄りそい、心を和らげてくれることでしょう。
うっとり★★★★☆
懐かしい★★★★☆
親しみやすい★★★★★
クラシック音楽で人生を豊かに!
ここまでご紹介してきたクラシック音楽はほんの一部です。
おすすめの曲はあくまでも主観的なもの。
ここからは、ぜひあなた自身が実際に聴いてみてくださいね。
大事なのは、自分がどう感じるかです。
そして、自分の素直な気持ちや、心の動きを味わいましょう。
クラシック音楽によって、あなたの人生がさらに豊かになりますように。
まとめ
クラシック音楽のシーン別おすすめ曲などをご紹介してきました。
音楽は私たちの生活や人生を豊かにしてくれます。
私たちの気持ちにやさしく寄りそい、癒しや感動、時には勇気を与えてくれるでしょう。
長い年月をかけて愛されてきたクラシック音楽には、時代を超えた価値があります。
ぜひいろいろ聴いてみて、お気に入りを見つけてみてくださいね。
自分に合ったクラシック音楽を生活に取り入れ、豊かな人生を楽しんでいきましょう。