受験や資格試験などで勉強をするときには、『暗記』が得意な場合とそうでない場合では、結果が随分と変ってしまうのではないでしょうか。
簡単に覚えられる方法があればどんなにいいかと思いますね。
一度見たら忘れないという能力があれば理想ですが、もともと脳はものを忘れていくようになっているので、記憶力を高めていくには少しコツが必要です。
そこで今回は、自分に合った暗記方法を見つけ、『記憶力アップ』を目指すコツをご紹介します。
暗記ができない理由を知ると記憶力アップが目指せる⁉
人の脳には忘れる機能がありますが、暗記が得意な人と不得意な人がいますね。
脳の機能は同じはずなのに、なぜ違いができてしまうのでしょうか?
覚えることが苦手と感じる場合、「なぜ忘れるのか」を知るとそこから解決策が見えてきます。
一回にたくさんの量を覚えようとする
もう時間がないから一夜漬けで覚える!なんて言葉、何度か聞いたことがありますし、実際にやってみていい結果が得られたか?というとそうでない場合がほとんどでした。
それは、脳のキャパシティーを超えた、たくさんの情報を一度に覚えようとしたことが原因です。
長期記憶の容量は無限と言われていますが、長期記憶に移行する前の短期記憶の段階では、脳内の容量は少ないと言われています。
一夜漬けのように、少しずつの情報でも次々にインプットされると、長期記憶として定着する前にキャパシティーオーバーで消されてしまうようです。
ですから、一夜漬けで記憶を定着する暗記方法はおススメできません。
時間が経つにつれ忘れてしまう
人は時間が経つと覚えたことを忘れていきます。
たとえば、授業で勉強した内容を直後であれば説明できますが、その覚えた内容を何もせず、数か月後に説明しようとしても大半の人が忘れています。
記憶によるある研究では、人は何もしない場合、覚えたことを20分後には約4割忘れ、1時間後には約6割、1週間後には約7割以上忘れている事が多いと言われています。
ですが、覚えたことを24時間以内、1週間以内、1ヵ月後に数分ずつ復習をすることで記憶率がアップするという研究結果もあります。
このことからも、適切なタイミングで覚えたことを繰り返し学習すると、長期記憶に定着していくと考えます。
効率的な暗記方法で 長期記憶に定着させるコツ
勉強したことを忘れてしまわないよう長期記憶に定着することが暗記のポイントになりますが、その方法はいくつかあるので、効率よく覚えるコツをご紹介します。
視覚・聴覚・触覚などを複数使って覚える
人には五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)がありますが、暗記をするときに、この五感をたくさん組み合わせて学習することで、効率が上がり記憶力アップにつながると言われています。
例えば、書いて覚える方法が一番覚えやすいという場合は、書く行為が「視覚」「触覚」を使います。
その視覚、触覚にプラス音読(読みながら)書くと「聴覚」が加わりより効果的に暗記ができます。
また、理科の勉強をするときには、文字だけで暗記するのではなく、実験の動画を見たり、教科書や参考書のイラスト、写真などを合わせて覚え、「視覚」をフル活用して暗記します。
歴史が頭に入ってこないという場合は、歴史の漫画を読み、イラストから人物の特徴や時代の流れをつかむことも五感を使って暗記することにつながります。
時間制限を作り集中力を高める
一度にたくさんのことを脳に詰め込んで覚えようとしても、脳の処理が追い付かずとても時間がかかってしまいます。
暗記をするときは、重要な箇所に範囲を絞り、必要最低限の力を使って効率的に記憶を定着させることがとても大切です。
それには、タイマーやストップウォッチなどを使って時間を計り学習します。
時間を計ると制限時間を意識するため、ダラダラ勉強することが減り、集中力がアップし効率よく学習できます。
知識を伝える
覚えた内容を家族に説明したり、友達には「確認したい」と言って覚えたことを自分の言葉で伝えてみます。
勉強した内容をクイズにして、友達と出し合うというのもとてもいい案です。
覚えたことを相手がわかるように伝えるという事は、内容を整理して自分がしっかり理解していないとできないため、反復して記憶する作業につながります。
生活習慣を見直すことで記憶力を高める
生活習慣と記憶力を高めることが関係あるの?と思うかもしれませんが、普段の生活をちょっと工夫するとで記憶力アップが期待できます。
睡眠を 十分にとる
記憶を維持するために、一日に最適な睡眠時間は約7時間と言われています。
「寝る間を惜しんで勉強した」というのは残念ながらいい結果が得られるとは言えません。
人は睡眠によって記憶を整理し、定着させるため、眠たいのに我慢して勉強しても、睡眠不足になれば記憶力や集中力が落ちてしまいます。
ですから、毎日の生活で十分な睡眠をとることはとても大切ですし、もしも家庭学習のときに眠くなったら、30分くらい仮眠をとってスッキリしてから再開することがおススメです。
眠たくて集中力が低下したまま勉強するよりも、仮眠をとった方が効率の良い暗記方法につながります。
適度な運動をする
勉強を長時間続けていると、脳の同じ部分だけ刺激され、他の機能が低下して記憶の効率が悪くなると言われています。
脳は、複数の個所を刺激することで活性化するため、勉強の合間に軽い運動やストレッチなどをすることで、疲れた脳がリフレッシュして集中力や記憶力が高まります。
そして、一日中勉強机に座っているという事がないよう、毎日の生活の中に、ウオーキングや軽い運動の時間をとることをおススメします。
まとめ
覚えた事を忘れないように暗記し、長期記憶に定着させるためには、五感をフル活用したり、制限時間を決めて集中し、睡眠時間を十分にとることや適度な運動をするなどの生活習慣にもポイントがあります。
疲れたら休んで脳をリフレッシュさせることもとても大切なので、ポイントを押さえた暗記方法と、自分に合ったリラックス方法を見つけ、ONとOFFを切り替えることが必要ですね。