あなたは、ストレスを感じた時にどのように対処していますか?
イライラした時、疲れた時に甘いものをつい食べ過ぎたり、暴飲暴食してしまった経験はありませんか?
ストレスは心身に様々な影響を与えます。
ストレスが原因で太ってしまうことも・・・それがストレス太りです。
今回は、ストレス太りの原因や対処法についてお伝えします。
自分なりの対処法を見つけて、体と心を少しずつ変えていきましょう。
ストレス太りって何?
「ストレス太り」とは、ストレスから様々な影響を受けた結果、太ってしまうこと。
ストレスを感じると食べ過ぎてしまう人は、要注意(実は私も・・・)!
いわゆる「やけ食い」「ドカ食い」という状態ですね。
このままでは太ってしまう・・・と、頭ではわかっていてもなかなかやめられません。
さらに運動不足が重なると、筋肉や代謝も落ちて太りやすくなります。
そして、それがまたストレスに・・・という悪循環になりかねません。
あなたはどうでしょうか?チェックしてみましょう。
睡眠不足である
不規則な生活をしている
疲れやすく、だるい
運動する習慣がない
早食いである
何かほかのことをしながら食事をすることが多い
間食(おやつ)の習慣がある
寝る前や夜中に食べる習慣がある
食べることが唯一の楽しみである
イライラして甘いものを食べ過ぎてしまう
ストレスがたまると飲酒量が増える
ダイエットが続かない、またはリバウンドを繰り返す
食べすぎて後悔することがある
いかがでしたか?
当てはまるものが多い人は、ストレスが原因で太る傾向があります。
ストレスがたまると、自律神経やホルモンのバランスが乱れたり、血流や代謝が悪くなります。
その結果、太りやすく痩せにくい体になってしまうのです。
では、そのしくみを詳しくみていきましょう。
なぜストレスで太るの?4つの原因
ストレスを感じること自体は、誰にでもありますね。
では、なぜストレスが原因で太ってしまうのでしょうか。
原因は主に4つあります。
自律神経の乱れ
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経があり、体の各器官を調節する重要な役割を担っています。
交感神経は活動時、副交感神経は休息時に優位になり、通常はバランスを保って働いています。
しかし、ストレスの影響でこのバランスが崩れてしまうことがあるのです。
すると、心身が疲れてしまい、不調を感じやすくなります。
特に交感神経が活発になりすぎると、血流や代謝が悪くなってしまい、冷えやむくみにつながります。
さらに、胃腸の働きも悪くなるので、消化不良や便秘にもなりやすく、下腹もぽっこり。
このように、脂肪をため込みやすい体になるため、結果的に太ってしまうのです。
ホルモンバランスの乱れ
人間は生命を維持するためにホルモンの分泌量を調整しています。
ところが、強いストレスによってホルモンのバランスが崩れてしまうことがあるのです。
たとえば、ストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンが多く分泌されます。
「コルチゾール」は、ストレスによる脳の緊張状態を緩和するために分泌され、食欲を増進させます。
加えて、代謝低下や血糖値上昇といった作用もあるため、太りやすくなるのです。
さらに、睡眠不足によって食欲に関わるホルモンのバランスが崩れ、肥満の原因にもなります。
また、特に女性は「女性ホルモン」のバランスが崩れると、イライラしたり食べ過ぎたりする傾向が。
ストレスを抱えていて睡眠不足に悩まされている、そんな女性は要注意ですね。
そして、強いストレスにより「ノルアドレナリン」が過剰に分泌されると、不安やイライラを招きます。
これを調整するホルモンが「セロトニン」です。
「セロトニン」は幸せホルモンとも呼ばれ、気分を安定させる働きがあります。
不足すると、気分の落ち込みや不眠、過食などの症状があらわれます。
このように、ホルモンバランスの乱れによって過食気味になり、太りやすくなってしまうのです。
食べ過ぎ
太り過ぎの原因は、ほとんどの場合食べ過ぎや運動不足によるものです。
摂取カロリーが多く、消費カロリーが少なければ当然太りますね。
なぜストレスを感じると食べ過ぎてしまうのでしょうか。
食べることで心を満たし、ストレスを解消しようとすることが原因のひとつです。
食べている間は幸福感があり、一時的にストレスを忘れられますよね。
また、ストレスにより自律神経やホルモンのバランスが乱れて、過食になることもあります。
あるいは、ダイエットの反動で食べ過ぎてしまう場合もあるでしょう。
ここで、簡単なチェックをしてみましょう。
あてはまるものが多い場合は、ストレスによって食べ過ぎている可能性があります。
食べ始めると止まらず、一気に食べてしまう
疲れたりイライラした時、食べることで気を紛らわせようとする
いつも手の届くところにお菓子がある、またはいつも持ち歩いている
ダイエットとリバウンドを繰り返している
運動不足
運動不足は生活習慣病や心身のさまざまな不調につながりますが、肥満もそのひとつです。
あなたはどうでしょうか?チェックしてみましょう。
当てはまるものが多い場合は、ストレスの影響で運動不足になっている可能性があります。
疲れていて体を動かすのが面倒くさい
最近あまり歩いていない
歩いたり階段を使うとすぐに息切れする
体重を測る習慣がない
どうしたらいいの?5つの対処法
生活習慣を整える
ストレス太りを解消するには、自律神経やホルモンのバランスを整えることが大切です。
生活リズムを見直し、いつもよりていねいに過ごしてみましょう。
決まった時間に食事をとる
38~40℃のぬるめのお湯に10~15分程度浸かる
睡眠時間を6時間以上確保する
朝起きる時間を一定にする
日中は体を動かす
深呼吸をする など
食事を整える
食事は生きるために必要不可欠なもので、とても大切な行為です。
おいしいものを食べると元気になれたり、幸せを感じたりして生きる活力にもなりますね。
誰かと一緒に楽しく食事をすることも、心身に良い影響があります。
がんばっている自分へのご褒美として、たまには好きなものを食べるのも良いでしょう。
ただ、食べ過ぎやバランスの悪い食事、不規則な食生活などは避けたいものですね。
また、極端なダイエットをすると、食べること自体がストレスになってしまうかもしれません。
適切な食事や食べ方の工夫によって、自律神経やホルモンのバランスを整えたり、食べ過ぎを防ぐことができます。
たとえば、こんなことに気を付けてみたらどうでしょうか。
食事をゆっくりと良く噛んで(ひと口につき30回以上)味わい、満足度を上げる
野菜や汁物から食べ始める
朝食、昼食、夕食の間隔は5~6時間あける
夕食が遅くなりそうな時は途中で軽食をとって、食事のリズムを保つ
夕食は寝る3時間前までに済ませ、寝る前には何も食べない
空腹で眠れない時は、消化の良いものや温かいものを少しだけとる(ヨーグルト、はちみつ、ホットミルク、ハーブティーなど)
セロトニンのもととなる食品をとる(乳・大豆製品、ナッツ、バナナなど)
女性ホルモンを整える食品をとる(大豆製品など)
ストレス緩和や疲労回復に良い食品をとる(野菜、果物、肉、魚、卵、乳・大豆製品など)
食べても太りにくい高タンパク、低脂質の食品をとる(魚介類、鶏肉、赤身の肉、卵、乳・大豆製品など)
食物繊維をとる(玄米、豆、イモ類、野菜、果物、きのこ、海藻類など)
食事のバランスは1~2週間単位で考え、食べ過ぎたら翌日は控えるなど自己管理をする
お菓子が食べたくなったらガムを噛んだり、炭酸水を飲む など
体を動かす習慣をつける
日中適度に体を動かすことは、自律神経やホルモンのバランスを整える効果があります。
また、筋肉をつけて基礎代謝量をアップさせ、太りにくい体を作ることも大切ですね。
体を気持ち良く動かしてストレスを発散させれば、ストレス太り解消にもつながります。
とはいえ、運動する時間がとれない、疲れて動くのが面倒くさい・・・。
そんな時もありますよね。
ここでは手軽にできる運動をあげてみます。
目安としては、1日20分程度の運動を週に2~3日程度です。
ただ、あまりとらわれずに、とにかく「続ける」ことを大事にしましょう。
ひと駅分歩く
買い物の際少し遠いお店に歩いて行く
お店の入り口から遠い場所に車を停めて歩く
家の掃除や片付けをする
散歩をする(ウォーキング)
自転車で移動する(サイクリング)
スクワット
ストレッチ
ヨガ など
十分な睡眠をとる
最近よく眠れていますか?
ストレス太りを解消するためには、質の良い睡眠も大切です。
質の良い睡眠とは、自律神経やホルモンのバランスが整えられ、心身のストレスを修復できる睡眠のこと。
睡眠不足が招く疾患には、高血圧症や心疾患、脳疾患、認知症などがあります。
加えて、肥満も睡眠不足が原因であるともいわれているのです。
睡眠がうまくとれないと「グレリン」という食欲増進ホルモンが増え、「レプチン」という食欲抑制ホルモンが減ります。
つまり、睡眠不足により食欲が抑えられなくなってしまう可能性があるということです。
さらに、睡眠によって疲労回復ができないと、アクティブに動けず運動不足にもつながります。
するとエネルギーの消費量や代謝が落ちるのにもかかわらず、食欲が暴走するという悪循環に。
質の良い睡眠をとるためには、体内時計や体温などを調整し、眠れる環境を整えることが必要です。
起床時間を一定にする
日中、適度な運動をする
寝る1~2時間前にぬるめのお湯に浸かる(38~40℃で10~15分程度)
夕食は寝る3時間前までに済ませ、寝る前には何も食べない
睡眠時間は最低でも6時間程度確保する
夕方からはカフェインを含む飲み物(コーヒーなど)を控える
リラックスできるアロマや音楽(自然音など)を活用する
寝る前には強い光を浴びない(照明を落とす、PCやスマホを見ない)
軽いストレッチやヨガをする
深呼吸をする
瞑想をする など
食べること以外のストレス解消法を試す
ストレス太りの原因のひとつは、ストレスを解消するために食べ過ぎてしまうことでしたね。
そこで、食べること以外でストレスを和らげることはできないか?と考えてみましょう。
普段から、自分なりのストレス解消法をたくさん用意しておくと良いですね。
基本的には、自分の好きなことや心地よいことでOKです。
コメディやお笑い、落語などで笑う
好きな歌をうたう
散歩に行く
簡単なストレッチやヨガをする
ラジオ体操をする
お風呂に入る
寝る
おいしいコーヒーや紅茶をいれる
家族や親しい友人とおしゃべりする
植物の世話をする、動物と触れ合う
アロマオイルやお香で香りを楽しむ
マッサージを受ける など
どうしたら防げるの?4つの工夫
ストレス太りの原因となるストレスをためないように工夫してみましょう。
深呼吸する
不安や緊張を感じると、呼吸が浅く速くなり、心臓もドキドキしますね。
ストレスを感じたら、まず深呼吸をすると気持ちが落ち着きます。
目を閉じておなかに手を当て、数を数えながらゆっくり呼吸してみましょう。
「1、2、3、4」と4秒数えながら吸って、4秒止めて、8秒かけて吐きます。
この時、きちんと吐ききることがポイントです。
いろいろな思いが浮かんでも気にせずに流して、また呼吸に意識を向けましょう。
これを5分間続けると、少しずつ心が安定してきます。
また、リラックスして眠りにつきやすくなるので、寝る前に行うのもおすすめです。
ツボを押す
イライラに効くツボや、食欲を抑える効果のあるツボを刺激してみましょう。
たとえば、イライラしたら胸にある「膻中(だんちゅう)」というツボを押すと、和らぎます。
胸の正中線(体の左右中央にある縦の線)の上で、乳首と同じ高さにあるツボです。
ストレスがたまっている時は、このツボを押すと強い痛みを感じます。
ゆっくり吐く息とともに押し、息を吸って戻すことを7~8回繰り返しましょう。
また、イライラして食欲が抑えられない時は、耳のマッサージもおすすめです。
耳には、自律神経を整えるツボや、食欲を抑えるツボがあります。
ひとつは「神門(しんもん)」といい、自律神経を整えたり、イライラや不安を解消するツボです。
もうひとつは「飢点(きてん)」といい、食欲を抑える効果があります。
この2つを同時に刺激することで、やけ食いやドカ食いを防ぐことができるのです。
耳を痛気持ちいい程度に引っ張ったり、指で揉んだりしてマッサージすると良いでしょう。
血流が良くなって耳や顔がぽかぽか、頭もスッキリします。
香りをかぐ
ストレスを感じイライラした時には、食べ物に手をのばす前に香りの力を借りてみましょう。
香りには、気持ちを落ち着かせたり、自律神経を整えて過剰な食欲を抑えたりする効果があります。
ストレス太り防止におすすめの香りは次の5つです。
グレープフルーツ
「ナリンギン」という苦味成分や「ヌートカトン」「リモネン」という成分が含まれています。
これらの成分は、食欲抑制や代謝アップ、脂肪燃焼、デトックスなどの効果があります。
気分を明るく、リフレッシュしてくれる香りです。
空腹でイライラした時や、ストレスを解消したい時におすすめ。
オレンジ
「リモネン」が多く含まれ、食欲抑制や代謝アップ、内臓脂肪やコレステロールを減らす効果があります。
血行や消化機能が促進されるので、冷え性や便秘の解消にも。
ストレスや不安を和らげ、明るい気持ちにさせてくれる香りです。
お腹が空いて眠れない時にかぐとリラックスして眠りやすくなります。
バニラ
甘い香りには心を落ち着かせる鎮静効果があります。
イライラして甘いものを食べたくなった時、バニラの香りで気持ちが満たされるという説も。
満腹中枢を刺激するので、食べ過ぎ防止にもなります。
リラックス効果や安眠効果もあるので、空腹でイライラした時や眠れない時におすすめ。
ペパーミント
スーッとした香りをかぐと気分がスッキリし、リフレッシュできます。
空腹を感じにくくする効果があり、摂取カロリーが低くなったという研究結果もあります。
食べ過ぎを防ぐためには、食事の30分~1時間前にかぐのがおすすめです。
また、食後にミントの香りの歯磨き粉で口をスッキリさせると、間食を防ぐこともできます。
キンモクセイ
ストレスを受けると、食欲を増進させる「オレキシン」という物質の分泌が増えます。
キンモクセイの香りには、この「オレキシン」の分泌を抑え、食欲を抑える働きがあるのです。
また「リナロール」という成分には、気持ちを穏やかにし、緊張や不安を和らげる効果も。
眠れないときや、リラックスしたい時にかぐと良いでしょう。
食べ過ぎを防ぐ効果もあるので、食事の30分~1時間前にかぐのもおすすめ。
ティーカップにお湯を入れ、アロマオイルを1~2滴垂らして香りを広げる
枕元にアロマオイルを染み込ませたコットンを置く
アロマストーンやアロマディフューザーでお部屋に香りを広げる
アロマオイルをバスタブに1~3滴垂らして入浴する
マッサージ用のオイルにアロマオイルを混ぜてマッサージする
エタノールと精製水でアロマスプレーを作る など
記録をとる
ストレスを感じて食べ過ぎてしまう自分のことを、責めていませんか?
自分を責める必要はありません。
まずは「ストレスを感じている」「食べ過ぎている」ということに気付くことが大事です。
ストレス太りの予防には、ストレスとなっていることや、食事・間食の記録をとることも効果があります。
どんな時にストレスを感じ、どんな気持ちだったか、いつ何をどれだけ食べているのか、紙に書き出してみましょう。
たとえば・・・
「上司に認めてもらえなくて、悲しかった。言いたいことが言えなくて悔しかった」
「人間関係でストレスを感じると、イライラしたり不安な気持ちになって甘いものが止まらなくなる」
「食べ過ぎたことを後悔している。罪悪感があり自分を責めてしまう」
「食べていないつもりでも、意外と食べているんだな」
「これからは、自分の気持ちを大事にしよう」
「今日は食べること以外でストレスを発散できた」 など
まとめ
ストレス太りは、体と心からの大事なメッセージです。
自分がどんな時にストレスを感じ、どう対処していけば良いのかを見つめるチャンスでもありますね。
自律神経やホルモンのバランスを整えるため、食事や運動、睡眠など生活の基本を見直しましょう。
また、自分なりのストレス解消法や、ストレス太りを予防する工夫も大切です。
自分と向き合い、自分なりの対処方法を見つけて実践していきましょう。
焦らずに、どんな自分もまるごと受け入れて、体と心を整えていけると良いですね。